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2013年12月
2013年12月3日(火)~15日(日) 揺 シリーズ企画「ズレ」II その4 三橋登美栄展 - Future of Children -
ギャラリー揺(京都)
2013年夏にイギリス、オーストリア、最後にチェコを訪れ中世の街並みを散策している時に、プラハ国民劇場前の掲示板に目が留まりました。それは少女が両手で顔を覆い、その手に目が描かれているポスターでした。「見たくない!」と一度は目を逸らしますが、その手に描かれた目で現実を見つめているようでした。
旅行中に滞在したロンドンでは第二次世界大戦中の1939年~1945年に、日本と同じように子どもたちが田舎に疎開していたことを知り、その時の画像を元に制作。
Evacuation
September 1939―May 1945
Throughout World War Two, in a massively complex and dramatic operation, approximately three million people were evacuated from towns and cities that were in danger of being bombed by enemy aircraft.
Young children from a nursery school in Kentish Town, London, are evacuated, Notice their Labels.
子どもたちは棒に刺した人参をチョコレートやアイスクリームの代替品として提供されていました。戦時中でも人参は豊富にあったイギリスでは「自然の甘味料」としてニンジンの摂取が奨励されていました。
Rationing in World War Two
Rationing of food and other goods during World War Two changed the social landscape of Britain for a generation, creating a national culture of ingenuity, austerity and making-do. Three young children make do with carrots on sticks, a healthier alternative to ice cream which was unavailable during World War Two due to rationing.
同年代の日本の小学校の椅子、木の台、チョーク箱をインスタレーション展示。
第二次世界大戦が終わった翌年に生まれた私は、1970年代に二児の母に、2000年代に三児の祖母になりました。30年後の孫たちは私が経験したことも無い複雑な世界を生きて行くことでしょう。その時に難題から視線を逸らすことなく困難と対峙しなければなりません。現在、紛争の絶えない世界情勢を見て、私の両親や兄弟が体験した第二次世界大戦の話を思い出しました。60代の私が幼児体験を急に鮮明に思い出すことに驚いています。
世代のズレや異国間のズレの垣根を越えて、多くの子どもたちの希望が叶えられる世界が広がることを願っています。
展示作品
1 look away 1(目を背けて1) 8号F(45.5×38.0cm)
2 Don’t look away! 4(目をそらさないで!4)
サムホール(22.7×15.8cm)
3 evacuation 1(避難1) 60号 F(97.0×130.3cm)
4 evacuation 2(避難2) 60号 F(97.0×130.3cm)
5 evacuation 3(避難3) 6号F(31.8×41.0cm)
6 Don’t look away!1(目をそらさないで!1)
20号F(60.6×72.7cm)
7 Don’t look away!2(目をそらさないで!2)
サムホール(15.8×22.7cm)
8 Don’t look away!3(目をそらさないで!3)
サムホール(15.8×22.7cm)
9 look away 2(目を背けて2) 10号F(53.0×45.5cm)