2026.2.17(火)~3.3(火) 【2/23(月) 3/2(月)休廊】 12:00~18:00 (最終日17:00)
≪記憶と創造≫
創造的なアイデアの多くは、ゼロから突然生まれるわけではありません。むしろ、記憶に蓄えられた既存の知識や経験を、意外な形で「再構成」することによって生まれます。
記憶の働きで、「忘却」は一見ネガティブな現象と捉えられがちです。しかし、創造性という観点からは、忘却が一定の役割を果たしている可能性が指摘されています。
適度な忘却は、情報の核や本質的な部分だけを抽出することを助ける可能性があります。これにより、残った情報同士が予期せぬ形で結びつきやすくなり、新しいアイデアの種となることが考えられます。また、曖昧になった記憶や不確かな情報断片は、脳がそれを補完・解釈しようとする過程で、独自の関連付けや想像力を刺激する場合があります。これは、芸術や文学におけるインスピレーションの源泉としても見られる現象と通じるものがあるでしょう。
記憶システムを健やかに保ち、豊かに育むことは、私たちの創造性を高めるための重要なステップです。多様なインプット、情報の整理、内省、そして質の高い休息は、記憶を活性化させ、創造的なアイデアが生まれる土壌を耕すことにつながります。
「私もお雛さま」日本画 80号(1455×1120mm)
「雛箪笥」
「私もお雛さま」日本画と「私もお雛様さま」下絵
≪言葉の切り紙「而今と而後」≫
≪而今(じこん 又は にこん)≫
「而」の意味は「そして」「すなわち」「それでも」です。「今」は「過去とも未来とも言えない時」のことですから、すなわち「而今」の意味は「過去の話や未来の不安はさておき、今に集中しよう」となります。曹洞宗の開祖道元の「正法眼蔵」に書かれています。「今、現在に集中する」という意味は、実践的で禅の「今、ここ」を大切にする考え方を端的に表した言葉です。付け加えるなら「過去を全て忘れました」「先のことを案じることをやめました」ということで、潔い心地よい生き方を表わす語として自分に投げかける言葉になります。
≪而後(じご)≫
「而」は「而も(しかも)」や「而して(しかして)」と訓読み、「而後」は「しかるのち」、「その後」や「そうした後で」といった意味を持ちます。「而後」は、仏教において「今この瞬間から先の未来を指す言葉」として使われ、特に、過去にとらわれず、未来を恐れず、今を大切に生きることが重要であるという教えに基づいています。この言葉は、禅宗の思想や仏教の教えにおいて、今を意識することの重要性を強調しています。



